院内感染対策と内視鏡の洗浄について

おなかクリニックでは、村井院長が病院勤務時代にICD(Infection Control Doctor:感染制御医)の資格を持っており、院内感染対策には特に力を入れています。

スタンダードプリコーションについて

スタンダードプリコーション(標準予防策)とは、創のある皮膚、粘膜、すべての血液、すべての体液、汗を除く分泌物、排泄物には感染性があるものとして取扱うという考え方のこと。当クリニックでは、院内感染対策をスタンダードプリコーションの考え方に基づいて行っています。この基準は推定される感染状態とは関係なく、すべての患者さんに適用されるため確実性の高い方法です。
医療機関の中には、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、梅毒検査などの検査前感染症検査によって感染症をもつ患者さんともたない患者さんを区別し、洗浄消毒方法を変えている施設もあります。しかし、すべての感染症をチェックすることは不可能ですし、未知の感染症に対処することもできません。そのため、おなかクリニックでは、患者さんに使用した内視鏡は、全て感染性があるものとして同じ方法で洗浄・消毒を行っています。これは感染症を防ぐために、とても大切な考え方であり、有用な方法なのです。

内視鏡の洗浄と消毒

おなかクリニックでは、他院からの紹介があり予約をとって頂いた場合には、初診時に胃内視鏡検査を受けることも可能です。これは企業検診あるいは、一般の方に関わらず対応できます。検査前感染症検査なしで内視鏡検査を行う場合もあります。
これは、全ての内視鏡検査終了後に、どのような感染症があっても、次の検査の方に感染させないように、ガイドラインにのっとった方法で、洗浄・消毒を全自動内視鏡洗浄器3台(オリンパス社製 OER-3)を用いて、6%過酢酸消毒液(アセサイド)という高水準消毒薬にて洗浄と消毒を行っているからできることです。

洗浄と消毒の手順

  1. 検査が終了したら、その場でまず水道水、中性剤を吸引して、吸引チャンネル内を洗い、水道水を含ませたガーゼで外側を清拭します。
  2. 内視鏡をユニットから外します。内視鏡を準備室へ運び、酵素系高機能洗浄液エンドフレッシュSを用いた外側の洗浄と、ブラシを用いた吸引チャンネル内の洗浄をシンク内で何度も丁寧に行います。
  3. 全自動内視鏡洗浄器(オリンパス社製 OER-3)に内視鏡をセットして、漏水検査を行います。次に、低泡性液体洗剤エンドクイックと6%過酢酸消毒液(アセサイド)を0.3%実用液に調整し、これで17分間の洗浄と消毒を行っています。

過酢酸という消毒薬について

過酢酸は、5分間で高水準消毒が可能な消毒剤です。これは、2001年に厚生労働省より高水準滅菌剤として承認されています。作用機序は強力な酸化力によって蛋白の変性、代謝酵素の不活化、細胞膜の破壊などがあり、これで殺菌します。過酢酸は分解して酢酸、過酸化水素、酸素、水になりますので有害な物質を生じません。また、過酢酸の高い消毒効果は有機物中でも効果が低下しませんが、金属腐食性が高いため腐食をさける必要があります。このため、オリンパス社ではpHを調整して内視鏡に使用できるものを専用の洗浄機と共に発売しています。

スタッフの感染対策

患者さんだけでなく、スタッフの感染対策も万全にすることで、患者さんへの感染対策はより高い効果を発揮します。そのため、おなかクリニックでは、スタッフの感染対策にも力をいれています。
スタンダードプリコーションの考え方にのっとって、患者さんの体液などに触れる場合は、手袋を着用し、もし手で触れることがあったら石鹸で手を洗います。処置をしたら手袋を外して手を洗い、汚れそうな時は手袋、マスク、エプロンなどをします。そして床が汚れたらすぐに清掃を行います。
針刺し事故防止のためには、針のリキャップを禁止しており、静脈留置針、翼状針については、コストはかかりますが針刺し防止機能のついたものを使用しています。さらにスタッフには、サンダルを禁止して、足先を守るスニーカータイプの靴を着用するよう指導しています。

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